2025年6月26日木曜日

週一回 その17

我が国の「週一回」の議論の特徴とその限界

 これまでに見た我が国の「週一回」の議論および「コンセンサス」は、山崎氏その他の検証に示されるように、ある一定の学問的なレベルに至っていると考えられる。そこでの「コンセンサス」、すなわち「週一回では、治癒機序としての転移解釈を用いる治療は難しい」ことの根拠としては、週4回という治療構造では供給が十分であり、容易に転移の収集が出来るが、「週一回」ではそれが難しいということである。そしてそこでは基本的には Strachey や Merton Gill による here and now の転移解釈を治癒機序として重んじるという立場に立つ。

 さて以下の章で海外の文献について論じる前に、上記の議論に関して差し当たって二つの疑問点を呈することが出来よう。

 

     <以下略>