2020年7月9日木曜日

ICD-11における解離性障害の分類 書き直し 3

6B13   トランス障害 Trans disorder と
6B14 憑依トランス障害 Possession Trance Disorder


  トランス障害と憑依トランス障害は、トランス状態(憑依なし)ないしは憑依トランス状態において、意識状態の不随意的で明確な変化が繰り返し、または単回の場合は持続的に生じることを特徴とする。
トランス状態ないしは憑依トランス状態の大部分は短く一過性で、文化的ないしは宗教的な体験に関係する。
  トランス障害では、トランス状態においては個人の意識状態の顕著な変化または個人のアイデンティティの通常の感覚の喪失が生じ、個人は直近の環境への気づきの範囲が狭まり、環境からの刺激の選択的な焦点化が生じ、運動、姿勢、および言動は僅かなレパートリーの繰り返しに制限され、それは自分で統御できないと感じられる。トランス状態は、別のアイデンティティによって置き換えられたという体験を特徴とはしない。トランスエピソードは再発性であるが、診断が単一のエピソードに基づく場合、それは少なくとも数日間継続したものである必要がある。トランス状態は不随意的で望ましくなく、集団の文化的ないしは宗教的な実践の一部として受け入れられたものではない。
  憑依トランス障害では、個人の意識状態の顕著な変化が生じ、個人のアイデンティティの通常の感覚が外的な「憑依アイデンティティpossessing identity」に置き換わる。トランス状態は行動または運動が憑依主体によりコントロールされているように体験されることにより特徴づけられる。トランスのエピソードは霊魂 spirit、威力 power、神的存在 deity、そのほかの霊的存在に帰される。トランスのエピソードは繰り返されるか、もし一回のエピソードで診断されるなら、少なくとも数日は継続する。