フラッシュバックとパニックとの相違について掘っていく。 あるサイトでは、次のような解説をしている。https://lindsaybraman.com/emotional-flashbacks/ ちょっと英文をまとめてみる。「両方とも不快であり、身体的な表現と言えるが、その源が違う。FBはそれはトラウマ的な過去の出来事であるが、パニックは現在におけるストレスや不安により生じる。」そしてこんなことを言う。「FBはパニックを引き起こしうるが、パニックは必ずしもFBではない‥‥。」 そんなことは分かっている!そのうえであえて問うているのは、結局はパニックは過去の、発達早期におけるトラウマ記憶に起因していないのか、ということだ。そしてこのサイトではさらに以下のように言う。 「FBに対処するには、マインドフルネス、現在にグラウンディングする、支持を求める、などがある Recovering from an emotional flashback often involves mindfulness, grounding in the present-day, and seeking support.」 「パニックに対処するには、環境からの刺激を低下させ、鎮静エクササイズ、支持を求めることだ Recovering from a panic attack often involves reducing stimuli (like taking a moment in a quiet room), practicing calming exercises, and seeking support.」 FBに対処する一つの方策としての暴露についてはこのサイトでは記載されていないのが少し物足りない。 トラウマについての本を書き、一応トラウマの専門家ということになっているにもかかわらず、フラッシュバックとパニックの基本的な違いに疑いを持っているとは‥‥。そこで一生懸命、両者は違う、と言うことを主張してみよう。いったん「分かっているつもり」になるわけだ。 フラッシュバックは顕在的、潜在的な記憶の想起に伴う症状だ。それに比べてパニックのオリジンは実のところ不明だ。それは何故か生じる。そしてここが大事だが、最初の激しいパニック発作は、それ自体がトラウマ的な意味を持つのである。例えば車の運転中に大きな事故に遭った人は、運転中にFBを起こすかもしれない。もちろんその場合は事故そのものがトラウマだ。しかし運転中に理由もなく突然深刻なパニックに襲われた人は、特に事故やそのほかのトラウマ記憶がなくても、再びあのパニック発作が訪れると思うと恐ろしくてしょうがない。でも結局起きてしまう。それがトラウマになるのである。