さて、ポジティブフィードバックはある行動がどんどん強化されるのが特徴なのだが、それが生じるのが依存症の状態である。そこでは脳の中脳部分にある側坐核のグルタミン酸の信号が感作される(どんどん敏感になる)ことが知られているというのだ。ちなみに依存症に関わる神経伝達物質としては、ドーパミンがよく知られているが、最近はドーパミンとグルタミン酸の両方が側坐核において相まって嗜癖を形成するということが知られるようになっているという。そしてこの二つはそれぞれ別の役割を持つという。ドーパミンは「欲しい!」という気持ちを生むが、グルタミン酸はそのための行動に導く役割を果たすという。AIはそれを以下のように説明してくれる。
ドーパミン:その刺激が「快楽」や「報酬」として感じられる瞬間の「やる気スイッチ」。
グルタミン酸:「その行動をどうやってやるか」を記憶し、脳内にルートを敷く。
たとえば性衝動を例にとると、
ドーパミンが「見て!AVの画像!これは楽しいぞ!」と言い、
グルタミン酸が「いつもの流れでスマホを開いて、トイレにこもって、あのサイトに行こう」と導く、ということになる。そして結果的に「自動反応のような衝動的行動」が形成されるというのだ。
そしてこの両方の神経伝達物質が異常をきたしているのが、依存症、というわけである。
さてこのような前提に立ったうえで、Prause らは、男性の性愛性は、依存症ではないと主張している。それはその際に起きているはずであるグルタミン酸ニューロンの過敏さが起きないからだという。以下はAIによるまとめ。
■ Prauseらの主張:CSBDは「嗜癖とは異なる」なぜならCSBDにおいては報酬系(側坐核)におけるグルタミン酸作動性のニューロンの過敏化は見られなかったからであるという。