そもそもNPという概念について
本当にこれは私の不覚なのだが、私は解離性、転換性障害などについていろいろ解説等を書いている身であるものの、この概念の意味を十分に認識していなかった。まさしく私の不勉強である。それを認めたうえで考えてみる。 痛みとは私たちが人類始まって以来戦ってきたことである。身体的な病による痛み、頭痛、そしてその原因が不明な痛み。私たちはその痛みが何に由来するかということについて二次的にしか関心を払ってこなかった。一次的な関心はもちろん、それをいかに軽減し、取り除くことかである。そして近代の医学が少しずつ発展を遂げ、なぜこの時代になって、「痛みには第3のタイプがあった!」という発見が行われたのか。そしてその新しいタイプの痛み、痛覚変調性疼痛 nociplastic pain 略してNPとはいったい何なのか。これはすごく興味深いテーマだ。特にいわゆるプラセボ効果や解離性(転換性)障害との関連について。
そもそもこれまでは痛みには二種類しかなかった。
つまりは身体の組織が破壊されて、剥き出しになった神経が痛みの信号を送るパターン(①)か、痛みを伝達する神経そのものが損傷を起こしているか(②)。
そして画像にもうつらない、炎症所見もない、となると「機能性」「心因性」として扱われてきた。そして一番の出来事は、fMRIやPETに異常が見られるようになったことである。つまりfMRIやPETはある意味で「人間の心」を映し出すようになったのである。そしてたとえば島皮質や前帯状皮質などの部位の過敏性により痛みが生まれている、ということで痛覚過敏性疼痛NPという概念が生まれた。
このNPの果たした役割としてチャット君がまとめる3点は全くその通りだ。
「組織の異常も、神経の損傷もないが、“痛み”として脳が反応している」
「患者の痛みは“本物”である」と医学的にも認めるラベル
心因性とだけ片づけず、脳の生理学的変化として捉える視点の提供
このことは、患者を否定しない医療の在り方としても、非常に大きな意義を持っている。
NPの概念はまさしく、患者さんの痛みを正当なものとして認めることの助けとなるのである!!!そして現在NPの代表として挙げられているのは以下の通りの疾患だ。
やっぱりね!頭痛のかなりの部分はNPだということはすごく納得が出来る。だからリリカが効くのである。