2024年8月13日火曜日

男性の性被害 2

 ここからは特に男児に対して向けられた性的虐待、ジャニーズ問題に表される虐待にフォーカスを定めたい。私はこの問題を考える際に、以前から気になっていた中田敦氏のユウチューブの動画「ジャニーズと児童虐待」を通して見ることにした。ジャニーズ問題は以前も、たしか2000年前後にも問題になり、裁判にまでなったが、この問題がなぜか最近まで放置されていたのだ。その理由がわからない。そして中田氏の動画がそれを扱っているのを前から知っていたのだ。そしてこの動画を見ることで私が知らなかったことを沢山教えてもらえた。

ちなみにこの中田氏の動画作成の最中の2023年4月には、一斉に民法がこの報道をするようになったという。以下の文章は彼の動画から得られた情報をベースにしている。

 まずBBCが昨年ジャニーズ問題を報道することになった経緯について、そもそもBBCがジミー・サビル氏 Jimmy Savile という国民的な司会者の途轍もない数の性加害問題について、ずっと沈黙をしていたという問題が数年前にあったという。彼の死後(2011)その問題が明らかになったが、サビル氏はBBCに対しても大きな権力を持ち、またイギリス王室にも称賛されていたため、彼のスキャンダルを扱うことがタブーとなっていたことが後に問題になったという。そして最終的にBBCのトップが職を解かれるということにもなった。BBCにはその反省があったという。

 ことの発端は、カウアン岡本氏の、例のガーシー氏との話で語った内容であった。つまり彼が15歳の時からから数年間、十数回にわたりKから性被害を受け、その証拠のビデオも撮り、喜多川の家の合鍵 duplicate key も持たされていたという事実も話されたという。これについて2022年に文春が報道したが、日本のマスコミは当然ながら黙殺した。そこで文春は一計を案じて、外国特派員協会で発表したことでようやく海外でも取り上げられることになったのだ。

 ところでそもそもジャニーズ問題は、たのきんトリオ、少年隊、光GENJI などがデビューして人気を博した1980年代に一部により告発されていた。それらは、1988年の北公次氏による「光GENJIへ」、1989年の中谷良氏による「ジャニーズの逆襲」などであった。特に中谷氏は11歳からKに性的虐待を受けたという。

 1999年は画期的な年であった。週刊文春が何と14週に分けてこの問題を告発したという。そして2000年には国会でもこの問題が取り上げられた。そして10人以上のタレントが告発し、裁判になったのだ。しかし最初は東京地裁で証拠不十分となったという。そこで文春側が控訴し、2003年の東京高裁で喜多川の性的虐待を認定した。それが上告されたが2004年には最高裁が控訴を棄却して刑が確定した。その裁判の過程で喜多川自身が「彼らはうその証言をしたということを、僕は明確には言い難いです。」と、自らが少年達の証言を事実上認めているのである。しかし問題はこの裁判の結果にマスコミが沈黙したということなのだ。つまりジャニーズ事務所への忖度が働き、結局喜多川の性加害は続けられた。結局彼が死去した2019年までその行為は継続していたのである。