2023年11月23日木曜日

カップルセラピー その8

 石倉先生の「夫源病」の概念

この文脈で石蔵文信氏の「夫源病」の概念について検討する。(石蔵文信(2011)『夫源病- こんなアタシに誰がした -』(大阪大学出版会))

昨年亡くなった石倉先生の、かつて話題を呼んだ夫源病。「妻の病気の9割は夫が作る」(マキノ出版)という著作の題名からもわかるとおり、何とも痛快な議論を展開する先生だ。私は非常に興味を持っている先生だ。日本性差医学・医療学会の発足にも尽力なさったという。同学会の理事 天野惠子先生の追悼文をもとに少し先生の背景を追ってみる。

石蔵先生は、日本性差医学を提唱されたというが、実は専門は循環器内科だという。調べると私より一歳年上だった。循環器科医としての臨床の場で、ED(勃起障害)などの相談を受け、当然ながら精神的なファクターが大きな影響を与えていることを知り、「男性更年期外来」を立ち上げる。以下引用。「診療の際には、奥様が同伴されることを基本とし、夫婦のありようを観察する中で、夫の言動への不平・不満が女性の心身の不調をもたらす状態を憂い、「夫源病」と命名され、大きな話題を呼びました。」。しかし2021年に前立腺がん(すでに骨転移あり)が分かってからは、死去する年に、「逝きかた上手 全身がんの医者が始めた死ぬ準備」(幻冬舎)を上梓。最後までそのステップは軽やかだった。

ちなみにネットに出てきた夫の妻への10の禁句。これ石倉先生の引用かな。確認できなかったが、秀逸なのでここに掲載する。


萩原達也様のサイトからhttps://best-legal.jp/genbyou-10-taboos-57910/


(1)他の母親はそれくらいできてるよ
(2)一日家にいて何してたの?
(3)俺には関係ない/知らない
(4)なんでこんな風にするの?
(5)お前は楽でいいよね
(6)ご飯は?
(7)俺のおかげだ
(8)お前のせい
(9)俺も一緒に○○に行く
(10)へー、あっそう