2023年8月20日日曜日

男性性とトラウマ 文字起こし 1

 先週この発表を行ったが、色々な意見が飛び交った感じである。

男性のトラウマ性

  本稿では男性性が持つトラウマ性について論じたい。社会において男性がいかに他者に対してトラウマを与えているかということについて、同じ男性目線から何が言えるのかについて考えてみたい。
 まず問題意識としては、過去および現在の独裁者や小児性愛者や凶悪犯罪者およびサイコパスのほとんどが男性であるのはなぜか、という疑問がある。これほど明確な性差が見られる社会現象が他にあるだろうか。そしてそれについて男性自身による釈明は十分に行われているだろうか。これは大いに疑問だろう。
  実はこの問題について、私は特に深刻な問題を体験している。それは男性による性被害にあった女性の患者に対して、そこで何が起きていたかについて一緒に考える際、男性の性のあり方についてどのように説明したらいいかについて常に悩むのである。説明の仕方によっては患者の心の傷を深めることさえあるのではないかと考える。

  ある大学生の女性は、属している部活の飲み会に参加し、そこで尊敬している男性部員と少し長く話す機会を持った。彼女はその先輩に対して尊敬の念を以前から抱いていたので、少し個人的なことも話し、それを聞いてもらってうれしく思ったという。そして二次会に誘われた時も喜んで参加した。ところが・・・・以下略。