2023年7月2日日曜日

日本心身医学会総会のこと

 昨日はパシフィコ横浜の第64回日本心身医学会総会の教育公演を行ってきた。朝9時に横浜ということで前の日はあまり眠れずに、6時に自宅を出た。しかし同中の蒸し暑さと言ったらどうだろう。

幸いちゃんと8時前には会場につき、講演を終えることが出来た。パシフィコ横浜の3階の一番広い会場。しかし50人ほどの入りか。コロナの影響か、あるいはそれほど規模が大きくない学会のせいか。

講演で一番言いたかったのとは以下の事だった。

 そもそも身体症状がなぜ起きるのかはほとんどわかっていない。「心因」以外にも様々な機序があるのだろう。しかし人間はそれを分かっていたいと思う。それが昔のヒステリーの概念であり、現在のMUS(医学的に説明できない症状症)である。私達は医学的に説明できない症状を一律に「心因」と決めつけないことがとても重要なのだ。さもないと、症状は心の病のせい → 心の問題 → 気のせい、気の持ちようとなり、症状は真剣に扱われなくなってしまう。それらへの懸念から精神医学では色々な変化が起きている。心因性、という概念の廃止、身体化、身体表現性、転換性、と言った用語の廃止。これらはいずれも患者の心が症状を生み出しているのだから、自業自得である、という考えを導くのだ。