2023年1月20日金曜日

神経ネットワーク 3

 

そこで基本的には脳を神経ネットワークになぞらえて考えることが出来るという立場を「神経ネットワーク仮説」と呼んでおこう。

ところで神経細胞と神経線維からなるネットワークだけが脳の構成要素ではないことは最近様々な研究からわかってきている。以下は正確性を期して、まずはウィキ様の引用。

「上述のように、グリア細胞は周辺組織の恒常性を維持するような、比較的静的な役割を演じることでシグナル伝達に貢献すると考えられてきたが、近年になって、多種多様な神経伝達物質の受容体が発現していること、受容体へのリガンド結合を経てグリア細胞自身もイオンを放出するなど、これまで神経細胞のみが担うとされてきたシグナル伝達などの動的な役割も果たしていることが、次々に示されてきている。」(日本語版ウィキペディア「グリア細胞」

つまりグリア細胞自身も単に神経細胞のケアをするというだけではなく、直接信号のやり取りにも関与しているということだ。ただしこの問題は「神経ネットワーク仮説」を本質的に変えるものではない。要するに神経膠細胞も、神経細胞と同じような役割を果たしていたということでしかない。一説では神経細胞の数十倍ともいわれる神経膠細胞が信号の伝達に関与しているとすれば、「神経ネットワーク仮説」において考慮されなくてはならないネットワークはさらに数十倍も複雑になるというわけである。

ここで大事なことは、実際の脳に存在する神経ネットワークの内部を探れないのと同じように、多重パーセプトロンも内部を探れないという事情があるようなのだ。これはどのような意味においてであろうか?一つ例を挙げよう。