Putnam はこの論文で「状態変化」障害 state-change disorder という概念にまで言及して、そこには双極性障害やMPDが入るとする。そしてそれが乳幼児に見られる意識状態state of consciousness に発想を得ているとする。そしてそれは「繰り返され概ね安定した 生理的な変数群や行動群のパターン群の付置constellation (Prechtl, 1968, p.29 A constellation of certain patternsepeat themselves and which appear to be relatively stable)」としてもっともよくあらわされるという。
Prechtl, HFR Theorell,
K, & Blair, AW (1968) Behavioral state cycles in abnormal infants.
Developmental Medicine and Child Nuurology, 15, 606-615
ちなみにK.Forrest (2001) はこのPutnam の理論をさらに引き継いだ論文を書き、この
理論がDIDの生物学的な基盤となりえることを主張している。
Forrest, KA (2001) Toward an etiology
of dissociative identity disorder: a neurodevelopmental approach Conscious Cogn
10:259-93.
ちなみに私はこれはDIDの本質を捉えていないような気がする。この体験では自己像がいくつかに分かれる、という説明にはなっても、心がAに宿ったり、A’に宿ったりという、複数の主体の存在を説明していないように思えるのだ。