2021年8月15日日曜日

●●学会の特別公演に向けて 1

 現在秋に頼まれているいくつかの講演の準備をしているが、特に大きなチャレンジとなっているのが、パワーポイントに声と画像を吹き込んで動画にするというプロセスである。これまでやったことがない作業なので、少しずつ要領が分かりつつあるが、まだ分からないことばかりだ。大体パワーポイントを拡張子ppt. ではなく、pptx. で保存せよ、等と誰が教えてくれただろうか。(後者で保存しないと、音声データをせっかく埋め込んだのに消えてしまう。)ただこの体験のいいところは、発表をある意味では事前に済ませてしまうというニュアンスがあるのだ。例えばスライドの一枚目に、以下の音声情報を埋め込んだので、もうこれで発表の50分の一くらいは終えたことになる。不思議な体験だ。
 今回は●●学会の特別講演という事でお呼びいただき、誠に光栄に存じております。何についてお話しようかと考えましたが、私が日ごろから解離性障害を持つ方々との臨床を行い、また解離性障害についての論文や著書を書いているという事もあり、テーマは解離についてという事でご準備いたしました。そしてタイトルとしては、他者としての交代人格と出会うこと、とすることにいたしました。

 恐らくこの学会に属していらっしゃる先生方の多くが、トラウマを抱えた方々、そして解離性の症状をお持ちの方を扱っていらっしゃると思います。解離性障害、特に解離性同一性障害の臨床を行う上で議論しておかなくてはならない様々な問題点が沢山ありますが、その中でもいわゆる交代人格の存在をどのように理解して、どのように出会っていくかという事は、極めて基本的であり、かつとても重要な問題です。そして驚くべきことにこの点について識者の中で意見が大きく分かれているという不思議な現象が起きているわけです。そこでこのテーマについてお話していきたいのですが、これはあくまでも私が持った臨床経験からのお話ですので、臨床家によってはこの問題について全く異なる考えを持っていることもありうるという事を最初にお断りしたいと思います。