2021年3月25日木曜日

母子関係の2タイプ 2

 その中で私たちが一番文化の違いとして感じるのは、親と子供との密着度の違いであった。私たちはもちろん夜は一緒の寝室で親子三人、川の字で就寝した。また私たち夫婦は息子をベビーシッターに預けて外出するという発想は持ちえなかった。これは平均的なアメリカの家庭ではしばしば行われていることを考えれば顕著な違いであった。もちろん私が息子を見ている間に妻が外出するということは当たり前にあったので、妻は息子から離れることに特に不安があったわけではないが、おそらくベビーシッターをあまり信用していなかったのだと思う。というより子供を預けて私たち夫婦が外出しなくてはならないような重要な出来事に遭遇しなかったのかもしれない。
 ただしもちろん私たち夫婦の両親や親戚は遠く離れた日本にいたので、もし彼らが近くにいたら、子供を彼らに任せて夫婦で外出するということは起きていただろう。それに日本では幼い子供を保育園に預けて母親が仕事に出かけることは普通になってきている。ただしそれでも親が幼い子供から離れることへの抵抗という点でやはり私たちは日米の大きな違いを感じたのである。
 それを顕著に示すような一つの出来事があった。息子は4歳半の頃、

(以下省略)

ちなみにちょうど同様の病状のアメリカの少女がいた。彼女は息子とほぼ同年代だったが、日中は一人で過ごし、夕方は家族が見舞いに来るという状態であった。通常の米国の小児病棟ではそれが普通だったのだ。