やっと書きあがった。最初の部分だけ。
我が国においてポリサイキズムは可能か?
― 解離性障害における「他者性の問題」
京都大学 教育学研究科 岡野憲一郎
解離における他者とは何か
私がなぜこのテーマを取り上げたかと言えば、DIDの患者さんの多くが「自分は自分であり、ほかの人格とは一緒にしないで欲しい。」と主張するにもかかわらず、一般人や臨床家の一部は、この点を理解しない傾向にあるからだ。彼らは交代人格を一人の独立した存在と認めることに抵抗を示し、心の一部分として扱う傾向にある。そのために患者さんは「わかってもらえていない」と失望することが多いのである。つまりポリサイキズムの状態は人々には受け入れ難いのだ。これはわが国だけの特徴だろうか?
(以下略)