未来は予測できない
株価を長い目で見ても短い目で見ても結局揺らいでいる、ということは、結局「株価は予測できない」ということだが、このことの理解が、おそらく揺らぎの面白さを支えているのではないか。ある事柄について、その事柄が揺らぎという性質を持つ、ということは、その未来を正確には予想できないことだ。そしておそらく将来を予想できないような性質のものは同時に揺らぎを示していることが多い。
正確には予測がつかない、という言い方は奥歯にものが挟まったような言い方だが、次のような意味だ。以下に二つの波を示す。株価の変動を表しているとしよう。縦軸は実際の価格(円)、横軸はひと目盛りが一年を表している。時間は左から右に進んでいく。AとBは結構似ているという人もいるかもしれない。ただBが結局は同じ波の繰り返しであるのに比べて、Aは何処を取ってもその波形が一致せず、フラフラしている。それはある種の規則性を持つようで、正確にはそうではない。周期性がありそうなのでそれを測ってみるが、一定していないのでそれをもとに株価を予想することが出来ない。そしてこのAの方が揺らぎ、というわけである。(この図はある株価の実際の変動Aをもとにして、その最初の部分を繰り返す形で作成したのがBである。