2018年11月30日金曜日

解離の本 44


 解離性障害によくみられる自傷
4-1 トラウマ記憶と自傷
解離性障害の患者さんは、トラウマを有していることが少なくありません。しかし、それらの記憶は人生における意味づけや情緒とは切り離された状態で封印されています。ところがなんらかの刺激がきっかけで、フラッシュバックが生じたときに、それが自傷の引き金となることがあります。フラッシュバックはトラウマを体験したときの苦痛の再現であり、自傷はその心の痛みを癒すための対処方法なのです。自傷はいわば心に麻酔をかけるという意味があるのです。
 【症例】大学生のカエデさん。「原因はわからないが、急に何をするにも意欲がなくなってしまいました。

(以下略)