2018年9月28日金曜日

パーソナリティ障害はまだ・・・ 3


ということで読み進める。今日読んだところは面白かった。おそらくこの Dutton の本が有名になった一つのきっかけではないか。それは彼が紹介している、スコット・リリエンフェルドという学者の研究である。それはこれまでのアメリカ大統領の自伝を書いた作者に対して行った研究である。彼らは自分たちの描いた元大統領たちがどのくらいの反社会性を備えているかについて尋ねられた。すると驚くべきことに、かなりの元大統領に反社会性が見られるということになった。いわゆるサイコパス・パーソナリティ・インベントリーPPIの二つの次元、つまり恐れを知らない支配欲 fearless dominancce,そして衝動的な反社会性 impulsive antisociality についてみたのだが、そこで一番高い位置にランクされたのが、かの JFケネディー、二位にはビル・クリントンが入ったという。「ちなみに詳しくは psychopathy and the presidents というサイトに行けば明らかだ。」残念ながらまだ●ランプさんの名前が出てこないが、それはこれが2010年の研究だかららしい。
ただしこの研究をあまりセンセーショナルなものと考えない方がいい。考えてみよう。一般人に対して行ったテストとの比較を述べているわけではない。そしてサイコパス性は悪いもの、というよりは人間集団の中で成功するためのカギと考えるのであれば、歴代大統領がそれらのスコアが高いのはむしろ当然と言えるかもしれないのだ。
その後に書かれていることは少し省略するが、一つ学んだことがある。私はサイコパスとASP(反社会性パーソナリティ障害)は同じことだと思っていたが、今回は Dutton が書いてあることに納得した。彼はこう書いている。DSMでのASPの定義には一つ重要なことが欠けている。数え上げてみよう。1.社会の規範に反すること。2.人をだますこと。3.衝動性。4.攻撃性。5.危険を顧みない。6.無責任。7.反省の念の欠如。そう、この7つの中に入ってこないがとても重要なのが・・・・冷酷さ、残酷さである。Dutton はこういう。「ASPマイナス感情が、サイコパスである。」 分かりやすいではないか。