2018年7月26日木曜日

解離―トラウマの身体への刻印 6

とにかく続けよう。パットナムさんのDBM(離散的行動モデル)のことだ。彼は仮説は上げたが、その段階では、脳のどこがそれらの機能(たとえば行動を連続したものとして結びつけるのか)を担うのかが説明されていなかった。そして昨日も出てきたOFC(眼窩前頭皮質)が特別な働きをしているらしい。そこではある種の意識、autonoetic consciousness というのが生成され、人が自分の体験を意識し統合するという。オートノエティック、記憶を具体的に思い出せる意識、などと訳されているらしい。一気に専門外に突入だ。ここら辺厄介なところは飛ばすが、OFCは様々な機能の中でも、抑制の機能を中心的に担う。出た! 例の「抑制」の問題だ。解離の病理は過剰で無軌道な抑制であるという説(何日か前に書いた)。あるまとまった体験を心の中で有するためには様々な細やかな抑制が必要になる。OFCは感情を抑制したり、自律神経を抑制したり、と様々な抑制に関わっているが、それは今の体験に集中し、まとめあげるためだ。これは私の想像だが、ある体験そのものはファジーでも、それを「~という体験をした」といえるためには、様々な部分を捨象したナラティブを作り上げなくてはならない。そのことを言っているのだろう。愛着研究でDタイプというのがあるが、子供は矛盾した不可解な行動を見せる。ある行動を始めては中断したり、衝動的な行動を見せたり。これも抑制システムの失調というわけだ。