2018年6月22日金曜日

です、ます、を「だ、である」調に変えた

16章 治療的柔構造の発展形精神療法の「強度」のスペクトラム
はじめに
フロイトは一世紀以上前に、週6回の精神分析を始めた。それ以来週に頻回のセッションは精神分析療法のゆるぎないスタンダードになった。現在でも我が国の精神分析協会は週4回以上(さすがにフロイトのように週6回とまでは行かないが)の高頻度でのセッション以外は正式な精神分析とは認定しない。ただしそれでも週4回はかなりの高頻度である。しかも期間は年単位である。実際にこの頻度を維持するためには、分析家と患者の双方がそれ相応の生活スタイルを作りあげ、それを維持する必要がある。そして当然ながら、それが不可能な場合も多い。精神分析の頻度をもう少し下げられないのか? 治療期間を短くできないのか? 週一回というのは精神分析と呼んではいけないのか? そのような疑問は精神分析の一つの課題として当然持ち上がってくる。
週一度の精神分析、という当時としては大胆な発想を、それも1930年代に持ったのが、我が国の精神分析の草分け的存在であった古沢平作であった。1932年から33年にかけて古沢はウィーンに留学し、フロイトに直接面会をし、フロイトの弟子の Richard Sterba から教育分析を受けた。その後精神分析を持ち帰った古沢は、わが国で週一回の精神分析を始め、それが私たちの一つのスタンダードになったという経緯がある。
(以下略)