4.パートナー(配偶者)および子どもとの関係
患者さんが原家族から独立し、配偶者やパートナーとの生活を送っている場合は、状態はかなり異なってきます。患者さんがそのパートナーに付き添われて治療場面に現れたり、そのパートナーが一緒の面談を求めてくるような場合には、本人の治療にある程度協力の意志をもっていることが多く、中には治療的に重要な役割を果たすキーパーソンとなる場合もあります。患者さん本人の承諾が得られれば、彼らにはできるだけ詳細に実態を知らせ、現実的な協力を求めるのがよいでしょう。特に原家族との間に入り、必要な連絡や調整に力を貸してもらえることは心強いものです。
患者さんに子どもがいる場合は、その影響について配偶者やパートナーと話し合うことも重要です。治療協力者としても家族の中心人物としても大きな負荷のかかりやすい彼らに対して、治療者はできる限りの心理的なケアを提供すべく心掛けたいものです。共同治療者に彼らの心理的ケアを担当してもらい、並行面接の形を取ることができればなおよいでしょう。
(この後、パートナーが本人と母親の間に入って防護壁の役割を果たした例。省略。)