もちろん別人格の中には、主人格が扱えず、意識したくない部分が反映されていることもあります。たとえばAが人に対してノーと言えない傾向があるとしたら、Bさんははっきりとした意見を持ち、言わばAさんの部分という風にも考えられます。この様に交代人格の意識や感情が患者さんの抑圧が反映されたものであるという見方は、患者さんの全体状況を理解する上で役に立つこともあります。しかしそれがすべての状況に当てはまるとは限りません。患者さん本人には交代人格と全く異なる考えや感情があり、交代人格のそれとはしばしば相容れないという実態に目を向けることが、症状をより深く理解する上での助けとなります。
2018年4月6日金曜日
解離の本 17
もちろん別人格の中には、主人格が扱えず、意識したくない部分が反映されていることもあります。たとえばAが人に対してノーと言えない傾向があるとしたら、Bさんははっきりとした意見を持ち、言わばAさんの部分という風にも考えられます。この様に交代人格の意識や感情が患者さんの抑圧が反映されたものであるという見方は、患者さんの全体状況を理解する上で役に立つこともあります。しかしそれがすべての状況に当てはまるとは限りません。患者さん本人には交代人格と全く異なる考えや感情があり、交代人格のそれとはしばしば相容れないという実態に目を向けることが、症状をより深く理解する上での助けとなります。