もし自分が座っている椅子にあたっているお尻の感覚に注意を払うとする。今日そんなことを考えたのはこれが初めてとなる。それを良く感じてみる。あるいは足の指先を動かして、それが靴の底と反発する感覚を感じてみる。もうこれがMの始まりであるというのだ。そしてこれは古来仏教の僧が行っていた瞑想であるという。それがおお流行で、今はGetSomeHeadSpace.com などのサイトに何百万人もつながっているというのだ。そして心の問題だけではなく、慢性疼痛、嗜癖、耳鳴り、過敏性大腸症候群、癌などにも効果があるという。本当だろうか?
そして脳科学がMの脳に与える影響を明らかにしている。
MRIスキャンによれば、扁桃核が8週間のマインドフルネスの練習により、明らかな萎縮を見せたという。(図は扁桃核の位置を赤く示しただけである)。それとは逆に、前頭前野、すなわち自覚や集中、決断などの高い脳の機能を司る部位は厚みが増すのである。そして機能的な結合性 functional
connectivity は、扁桃核とその他の部位が一緒に興奮する傾向は下がり、注意と集中の部位は一緒に興奮するという。
もう一つ一緒の興奮が起きなくなる部位として、前帯状皮質(不快に関連する)と、一部の前頭前野の一部が挙げられるという。本当はどうなんだろう?ということで彼の論文の抄録にあたってみた。
Grant JA, Courtemanche J, Duerden EG, Duncan GH, Rainville P.(2010)Cortical
thickness and pain sensitivity in zen meditators. Emotion. 2010 Feb;10(1):43-53.
まあはっきりしたことは書いていないものの、禅僧は前帯状回の背部が部厚かったという。
この研究を進めているエイドリアン・タレン先生。写真も彼女の論文から来たものだ。論文がただでネットで手に入る!やった! ネット社会万歳。どうやらMの最大の目標は、扁桃核を孤立させるということにありそうだ、という。わかるわかる。
エキスパートたちは、痛みの体験についても面白い研究をしているという。Mを行うとずっと痛みが減るという。しかし痛みに関する部位は逆に活動が増しているという。しかし刺激や情動を評価する部位は活動が非常に減っているという研究が、なされているとも言う。(Joshua Grant, a postdoc at the Max Plank Institute for Human Cognitive and Brain Sciences in Leipzig, Germany)
エキスパートたちは、痛みの体験についても面白い研究をしているという。Mを行うとずっと痛みが減るという。しかし痛みに関する部位は逆に活動が増しているという。しかし刺激や情動を評価する部位は活動が非常に減っているという研究が、なされているとも言う。(Joshua Grant, a postdoc at the Max Plank Institute for Human Cognitive and Brain Sciences in Leipzig, Germany)