相変わらず来年の3月の「パラノイア」の発表のため、思索を続けている
パラノイアと執拗さ
パラノイアと執拗さ
発達障害にはそれに関連した執拗さが見られる。執拗さとパラノイアは表裏一体という気がする。ある発達障害の人は、(中略)と言い、セラピストはその感性を耐えがたいと感じた。彼らは人を疑う傾向にあるが、それはある意味ではその人の全体をテキトーに「いいじゃん」、と信用してしまうという能力の欠如という気がする。「ちょっとくらい怪しくたっていいじゃないか、みんな完璧じゃないからね。」といういい加減さがないために、全体をまるごと受け入れることが出来ない。どうしても細かいところが気になってしまう。ある意味では彼らの脳は優れている。彼らの脳はシステム化をする。細かい部分が整っていることにこだわるところがある。でも鳥だってメスの気を惹くためには、完璧な巣をつくったりするぞ。木の枝の一本一本を嘴で整えたりして。ただしそれは美的な感性に訴えるために要請されているのかもしれないが。
ということできっとパラノイアとアスペルガー障害との関係が研究されているのではないかと思って調べると ・・・・ あったのだ。ちょっと読んでみよう。Atwood という人の The complete guide to Asperger’s
Syndrome という本だ。それによると、心の理論の未熟さとパラノイアとの関係に関する論文があるそうだ。
Blackshaw AJ, Kinderman P, Hare DJ, Hatton C(2001)Theory of mind, causal
attribution and paranoia in Asperger syndrome. Autism. 5:147-63.
論文を買うのは高すぎるので抄録しか読めないが、こんなことが書いてある。「アスペルガーでTom(心の理論)の値が低い人はパラノイア傾向が強かった。フンフン。ところが彼らは自己概念 self-concept や原因帰属 causal attributions に問題はなかったという。もともとパラノイアは、この原因帰属に問題があるという学説があったらしい。アスペルガーのそれは違う、ということか? ウーン、よくわからないなあ。白状しよう。原因帰属という単語の意味がだいいち分からないのだ。しかし少し手がかりがつかめた気がする。この路線で調べてみることにしよう。