関係精神分析[600字]
関係精神分析はサリバン派のGreenberg,
JとMitchell, S. により始まった米国における新しい精神分析の流れであり、理論の集合体である。両者は “Object Relations in Psychoanalytic Theory”(邦題「精神分析理論の展開」)において、フロイトの欲動論的な考えとは対照的な理論としてFairbairn,
R や Sullivan, HSらにより提唱されたものを「関係-構造論」として提示することから出発した。その後
Mitchellなどの力強いリーダーシップのものとに、現実の治療者と患者の関係性を重んじる立場として発展した。その後は従来の精神分析的な考えに対する異論や批判を含む巨大な理論の集合体となりつつある。そこには間主観性理論、自己心理学、弁証法的構成主義、愛着理論、メンタライゼーション、トラウマ理論、解離理論、フェミニズムなどが集合している。学術誌”Psychoanalytic Dialogue” は関係精神分析の事実上の機関紙であり、またIARPP(国際関係精神分析・精神療法学会)が2003年に創設され、世界毎年大会が開催されている。現代の関係精神分析を代表する人たちとしては、 Philip Bromberg, Nancy Chodorow, Irwin Z. Hoffman, Owen Renik, Donnel
Stern, Robert Stolorow, Jessica BenjaminDonna
Orange などの名が上げられる。