2016年10月13日木曜日

解離の概念および治療 ⑤

これはえらいこった。トランス障害ってナンだ??
次がDSM5の説明。
解離性トランス:この状態は直接接している環境に対する認識の急性の狭窄化または完全な欠損によって特徴づけられ,環境刺激への著明な無反応性または無感覚として現れる。無反応性には,軽微な常同的行動(:指運動)を伴うことがあるが,一過性の麻痺または意識消失と同様に,これにその人は気づかず,および/または制御することもできない。
この文脈でしばしば論じられるのが、いわゆる憑依 possession である。悪魔に取り付かれているなどの状態では、その世界に没入し、周囲とのコンタクトが取れないという特徴が見られる。ある研究は悪魔に取り付かれたという症状を訴える人々の症状が、DIDと多くの点で共通するとする。Ferracuti S1, Sacco R, Lazzari R. Dissociative trance disorder: clinical and Rorschach findings in ten persons reporting demon possession and treated by exorcism. J Pers Assess. 1996 Jun;66(3):525-39.
多くのDIDを扱った経験からは、DIDの場合にもこのトランス状態に近い様子を見ることがある。通常何度も出てなじみになっている人格とは異なり、目が据わり、呼びかけにも応じず、最小限の、または中途半端な応答しか交わさない。表情はうつろで視点は定まったままである。このような状態は、交代人格の出現というよりは、それとは別の解離状態、そこに生物学的な原因を強く疑うような状態である。通常は短時間だが長く続く。始まりも終わりも比較的急であるところが、解離的である。当人はそのときのことを覚えていないか、あるいはぼんやりと記憶していることもある。クラインレビン症候群を最近テレビで見たが、起きている間も朦朧とし、衝動的になる。再び眠りに付き、起きると普通に戻り、記憶がない。