妄想が膨らんできたぞ。どうしても成立させたいお見合い。両家の親が仕組んで、見合いの席の空気清浄機に、オキシトシン「媚薬」をたっぷり仕込んでおく。それを3台くらい全開にするのだ。カップルは見合いの席で、何か霧が立ち込めているのを不思議に思いながら、お互いの趣味などをぎこちなく話す。実は親に言われて見合いの席に来ただけで、互いに相手の第一印象は全くよろしくなかったが、だんだん不思議と相手に惹かれていく。どうして客観的には自分の好みではない相手が魅力的に見えてくるのだろう。それにしてもこの部屋にはどうして霧が立ち込めているのか。相手の顔が見えないくらいになってきたぞ。それがかえってよかったりして。
さて後日、面倒なことが起きた。カップルはめでたく成立したが、お互いの親同士が相手の親を好きになり、両家が同時に離婚するという事態に発展した。というのが落ち。
さて後日、面倒なことが起きた。カップルはめでたく成立したが、お互いの親同士が相手の親を好きになり、両家が同時に離婚するという事態に発展した。というのが落ち。
ところでこれ以降に書いてあることは少し複雑だが、D-2とD-1(ドーパミンの二種類の受容体のこと)の違いが結構大事だという。D-2はつがい形成を促進するが、D-1は逆だという。そして中等度のドーパミン刺激はつがい形成に役立つが、高度の刺激はむしろ逆効果だという。なぜなら通常D-2受容体の方が感度が高いからだ。すると中程度だとまずD-2の効果が上回るという。ところがいったんつがいが形成され、ドーパミン刺激が起こると、D-1の感度が高まるという現象が起き、それがつがい形成の後に訪れた異性を撃退するという行動を誘うという。つまり自然は徹底していて、つがい形成は、それ以外の誘いかけを撃退するという行動とペアになっているというわけだ。あとはもう少し必要になったら読もう(P117の左コラム。)とにかく論文では最後の方で、二つの点を強調している。
恋愛と嗜癖が脳科学的に見ても非常に似た現象であること。D-2が依存を促進、D-1がむしろ抑制するというところまで似ているという。(D-1作用薬は、嗜癖に対する治療薬となりうる???)もう一つ、オキシトシンとドーパミンは手を取り合って作用している。両者は切っても切れない仲で、互いに片方がなければ十分に作用を発揮できないというのだ。