2016年2月12日金曜日

So called SP (15) 報酬系と心(6)

前回の続きで、進化論者トリヴァースという学者の「互恵的利他行動」が面白い。Wikiを丸写ししてみる。「互恵的利他行動は無条件ではない。まず協力することで余剰の利益を見込めなければならない。そのためには受益者の利益が行為者のコストよりも有意に大きくなければならない。次に立場が逆転した場合に先の受益者が返礼しなければならない。そうしなければ通常、最初の行為者は次回からその相手への利他的行動を取りやめる。互恵主義者が非互恵主義者による搾取を避けるために、互恵主義者は「いかさま師」を特定し、記憶し、罰するメカニズムがなければならない。最初は利他的に振る舞うが、相手も利他主義者でない場合には援助を取り下げるこの戦略はーム理論しっぺ返し戦略と酷似している。おそらく互恵的利他主義のもっとも良い例であるのは、チスイコウモリの血液のやりとりである。チスイコウモリは集団で洞穴などに住み、夜間にほ乳類などの血を吸う。しかし20%程度の個体は全く血を吸うことができずに夜明けを迎える。これは彼らにとってしばしば致命的な状況をもたらす。この場合、血を十分に吸った個体は飢えた仲間に血を分け与える。それによって受益者の利益(延長される餓死までの時間)は失われる行為者の利益(縮小される餓死までの時間)を上回る。また返礼をしない個体は仲間からの援助を失い、群れから追い出される。 より身近な例はインターネットファイル共有コミュニティである。他者からダウンロードしたファイルを共有することを拒否する人はヒル(Leecher)と呼ばれ、そのような人の情報は参加者の間で共有されて、コミュニティへの参加を拒否される。」(以上、ウィキペディア「互恵的利他行動」の項から引用。

まさにこの文中に書かれていることだが、他人の血ばかり吸い続ける人は結局はその集団から追い出される。そういう人を英語ではleech (蛭)というらしい。ということは、少しでもその集団から追い出されるのを遅くするためには、自分が蛭であることに気が付かず、後ろめたさも見せずに堂々と血を吸わなくてはならないということか。

Incorporation
In that sense, the notion incorporation appears to be more relevant to the notion of “dissociative introjection”. Freud introduces the term ‘incorporation’ while developing the notion of the oral stage (1915, SE.VII, p.125); its use puts the emphasis on the relationship to the object, where formerly–notably in the first edition of the Three Essays on the Theory of Sexuality (1905,)–Freud had described oral activity from the relatively limited viewpoint of pleasure derived from sucking(L&P p.210). The process of incorporation connotes more direct, concrete and intrusive process, as it is considered to be the “[p]rocess whereby the subject, more or less on the level of phantasy, has an object penetrate his body and keeps it ‘inside’ his body”(L&P, 210).
 
In fact, if the process of introjection and internalization are mental and gradual, incorporation is more reflective, abrupt, automatic process that occurs often out of one’s consciousness. It happens in such a way that the individual feels that the incorporated part is foreign to him/her and not part of him/herself. For example, Ms.B (A SP with a voice of her mother) was never aware that her voice would switch into that of the mother. She was not even aware that the mother-like agent is inside of herself.