2014年12月17日水曜日

最新の解離(7)

  この心のざわめきに関するスターンの説明を少し聞こう。
 分析家は体験を積むことで、不快な情動を貴重なものと考えるという術を得る。キャリアーをはじめて最初の頃は、ここで述べている心のざわつきは不快なものだが、そのうち自由の直感 intuitions of freedomとなるであろう。自由への願望に根ざした私たちの臨床の作業へと献身する中で、私たちはそれに興味を抱く能力を有するのだ。そしてその自由さは患者だけのものではない。私たちの自由でもある。そのために私たちは辛い体験にも動機づけられるのである。私たちは経験を積むことで、安全よりも自由を求めていくようになるのだ。あるいは安全を感じることにあまり多くを費やす必要がなくなるために、自分たちの自由への願望にさらに耐えることができるようになると考えてもいい。(P226

以下略