引き続きエマの治療についてである。私は正直この話をまとめるのに四苦八苦している。本書の最後の部分だというのに。でもTRPの真骨頂みたいなことが起きる。
セラピストはエマに、「ためしに幻聴に同意してみてはどうでしょう? ちょっとした実験だと考えて。」と提案してみた。つまり幻聴が「お前はどうせ障害があるふりをしているだけなんだろう?」と言ってきた時に、次のように言ってみるのである。「そうよ、私は本当は歩けるわ。ただ歩けないようなふりをしているだけなのよ。あなたの言う通りよ。」といってみるのだ。そして幻聴があらゆる罵詈雑言を言ってきたら、それについてすべて同意する。このことをエマに提案すると、彼女は半信半疑ながら了解した。
以下略
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