おかげさまで、このブログを使って、ほぼ一冊分の素材をまとめることができた。数か月続いたが、第一回の遂行(おっと、推敲)が終わったレベルまで持っていくことができた。
相変わらず読者からのフィードバックは受けていないが、それは読んでもらうことをあまり期待していないという理由からである。読んでいますよ、と声をかけられることもほとんどなくなった。自業自得である。あくまでも書くモティベーションを優先したブログなので、「これを載せてもつまらないだろうなあ。もう一度書いているし。」などと思いだしたら、キリがないからだ。しかし内容自体は、読む根気さえあれば、ある程度のレベルにはあることを認めてもらえるともおもっている。ということで、このブログの濫用は続く。
某出版社の「学●通●」という小冊子があり、そこで出版をした人間がエッセイを書く機会を与えられるという企画がある。そこへの投稿をここで準備させていただく。
『関係精神分析入門』 ― 仲間と一緒に本を著す喜び
『関係精神分析入門』という著書は、著者名として私の名前が一番先に出てはいるが、横井公一、富樫公一、吾妻壮という、この分野では錚々たるメンバーとの共著である。実は書いているページ数は私が一番少ない。しかし出版に際して音頭を取ったのは確かに私である。
この本はわが国にはまだ定着しているとはいえない関係精神分析が根を下ろすようにと日頃努力をしている私たちグループの論文を集めたものである。この四氏は、福井敏先生と私が関係精神分析を日本に導入しようと最初に計画した今から数年前に、選んだ、一番この世界で活躍しそうな方々である。彼らと年に一度、精神分析学会の教育研修セミナーで、関係精神分析についてのシリーズを行っているうちに、あっという間に貴重な草稿が集まった。これを散逸させることなく、一書に出来ないかという発想を得たのが、2011年の初めであったが、それからは早かった。私の声掛けに応じた彼らは、それまでに出来上がっていた草稿に手を入れ、新たに必要となった章を書き上げ、またたく間に一冊の本の分量になる原稿を集めることが出来たのである。
この「●術●信」で出版にまつわる裏話を少しだけ書くことを許されるのなら、私は本を「作る」のが仕事であり、趣味である。執着と言ってもいい。実はこれだけ筆の早い優秀な執筆陣をまとめて編集をするのは本当に楽しい。自分がすべて書くわけではないので、あっという間にできる。(当たり前である。)これを企画することがなければ連続性のもとに読むことのできない論文が、まとめて提示できる。そして(望むべくは)経済的な効果もある。
しかしそうはいっても実は出版社の側で販売していただき、場合によっては返品を処理していただくという労をとっていただいているから、私は楽な仕事だけをできているのだ、ということは自覚しているつもりである。だから自分はいかにラッキーな立場かをいつも言い聞かせてはいる。
しかしそうはいっても実は出版社の側で販売していただき、場合によっては返品を処理していただくという労をとっていただいているから、私は楽な仕事だけをできているのだ、ということは自覚しているつもりである。だから自分はいかにラッキーな立場かをいつも言い聞かせてはいる。
さて本書の内容にも少し触れたい。(続く)