2012年7月17日火曜日

続・脳科学と心の臨床(51)


ちなみにDBSで脳に電極をさす、と言ってもピンと来ない方のために、メンフィス大学のサイトから図を引用する。こんな感じだ。



Thalamic nucleiとあるのは視床のことで、その下の視床下核に針の先が当たっていて、そこが電極になっているということだろう。そこから一定のパルス信号を出すことで刺激を与える。
http://www.memphis.edu/magazinearchive/v29i1/feat4.html
現在ではPDDBS治療は世界中で行われている。2万人のPDまたは運動障害の患者がこの治療を受けているという。またこの間までこのブログで書いていたジストニアなどに用いられることもあるという。しかし何しろコストが高いということで、受けられる人はわずかであるという。
ちなみにPDといえば、マイケルJフォックスのことを思い出す方も多いのではないか。「バック・トゥー・ザ・ヒューチャー」の三部作は映画嫌い(あまりイナイ)の私でもファンだが、あそこに出てきた元気のいい少年が、PDに侵されたものの、そこからPD撲滅の運動を繰り広げているのはよく知られる。彼もインタビューに答えてこのDBSの治療を受けたと語っているが、やはりお金持ちの治療法というニュアンスは否めないのかもしれない。