2012年6月16日土曜日

続・脳科学と心の臨床(24)


このところチビの呼吸が少し不規則になっている。時々体をぴくぴくさせている。ほぼ飲まず食わずの毎日だが、チビは懸命に生きている。肝性脳症の症状が出ているのであろう。

私たちの中のサイコパス
ロバート・ヘアという心理学博士の「診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち」という本は大きな影響を与えた。わが国でも翻訳が出ている。(「診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち (ハヤカワ文庫NF) ロバート・D. ヘア Robert D. Hare 早川書房 2000-08
彼はあるインタビューで答えている。http://healthland.time.com/2011/06/03/mind-reading-when-you-go-hunting-for-psychopaths-they-turn-up-everywhere/ 
サイコパスは一般人の
100人に一人だが、ビジネスリーダーたちに限ってみると、四倍に跳ね上がるという。
 利益を追求し、必要とあれば喜んで一気に何千人もの従業員を解雇して路頭に迷わせる。事実サイコパステストには、ビジネスに関しては「正解」なものも多いという。いわば資本主義ではサイコパス的にふるまえばふるまうほど利益があげられるということらしい。考えてみよう。たとえば日本でのオレオレ詐欺の現状を。あれほど巧妙にやればやるほどもうかる商売はないと言える。
1960年代にアメリカのある精神科医が実験を行ったという。彼が考えたのは、サイコパスたちは表層の正常さの下に狂気を抱えているのであり、それを表面に出すことで治療するべきだということだった。その精神科医は「トータルエンカウンターカプセル」と称する小部屋にサイコパスたちを入れて、服をすべて脱がせ、大量のLDSを投与し、お互いを革バンドで括り付けたという。そしてエンカウンターグループのようなことをやったらしい。心の中を洗い出し、互いの結びつきを確認しあい、涙を流し、といったプロセスだったのだろうと想像する。そして後になりそのグループに参加したサイコパスたちの再犯率を調べると、さらにひどく(80%)になっていたという。つまり彼らはこの実験により悪化していたわけだ。そこで彼らが学んだのは、どのように他人に対する共感を演じるか、ということだけだったという。
今週号の週刊文春を読んだが、小沢さんの奥さんの手記を読むと、彼もそうか、と疑ってしまう。私は前から彼のことが気になっていたが、やっぱりという感じである。政治の世界もまたサイコパス率が高いのかもしれない。
ここで皆さんは気になるかもしれない。彼らもまた脳に異常があるのだろうか?