2025年11月2日日曜日

ヒステリーの歴史 改めて推敲 3

 ヒステリーを学術的に扱った Charcot, Freud, Janet

  ヒステリーに関する偏見を拭い去り、医学の土俵に持ち込んだのが、18世紀後半のパリの J-M. Charcot であり、その影響を受けた S.Freud や P.Janet であった。Charcot は様々な神経疾患に関する業績を残していたが、1862年にパリのサルペトリエール病院の「女性けいれん病棟」を担当したことが大きな転機となった。Charcot はヒステリーは女性特有のものではなく、男性についても起きることを、実際患者を供覧することにより示した。また Charcotは、ヒステリーが心的外傷一般によるものとも考えられ、このこのヒステリーの外傷説が、Freudの理論形成に大きな影響を与えなど、ヒステリーの研究に非常に大きな貢献をしたことも確かである。Charcot はまたヒステリー症状を一律に説明する「ヒステリーの大発作」という概念を提出し、それを詳細に記載した。こうすることでヒステリーのさまざまな症状は、この大発作の部分的な現われや亜系であると説明した。 現在の観点から Charcot のヒステリーに関する臨床研究を振り返った場合、彼がヒステリーを一律に自分の専門である神経疾患と見なそうとしたことには問題があったものの、現在のFNSの概念の見直しの趨勢を見ると、それなりの先見の明があったと考えることもできるだろう。