2025年10月22日水曜日

ある書評 1

書評を書いている。

●●●のための〇〇からの×××

 本書は売れ行きも好調で、すでに多くの読者の支持を集めているそうである。著者●●氏(以下、著者)とはかつて一緒に翻訳作業に携わったこともあり、私は彼を比較的よく知る人間の一人と言えるであろうが、それだけにとてもうれしく思う。そしてその立場から本書の書評をお引き受けした。以下は私の素朴な感想文と思っていただきたい。

「●●●のための〇〇からの×××」という書名が示すとおり、社会人として様々な悩みを持つ人々に精神分析の理論がどのような答えや導きを与えるか、というのが本書のモチーフである。私はこの着想は素晴らしいと思う。現代社会に生きる私たち一人一人が多くの悩みや迷いを抱えつつ生きていることは疑いがない。最近はAIがしばしば用いられるようだが、勿論このような形での人生の指南書のような本も広く読まれているようである。ただし私たちが、その人生の悩みについての答えを、精神分析に求めるという保証はない。しかし一般の読者のかなり多くが精神分析に持つイメージには、大きな期待と神秘性を抱いていることも確かであろう。

以下略