2024年5月21日火曜日

解離への対応に関する覚書 1

 医療者とのコミュニケーションについて。うまく伝わらない場合はどうしたらいいのか。

やはりご自分の体験を何らかの文章にしてまとめることは必要でしょう。クライエントさんは医師の前で思いつくままに語るのではなく。初診の時点で文章にしていらっしゃるといいと思います。少なくとも医師にとってそれは非常に役に立ちます。しかし「はい、これを読んでください」ではいけません。医師の方はただでさえ限られた時間でそれを解読し、場合によっては書き写すのは負担です。それをもとにご自分の言葉で大事なところから順番にお話をしてください。起きたことをバラバラに伝えるのではなく。それが一番相手にも伝わるのです。医師といえども人間です。人に話す時、どのような順番で話せば一番伝わるのかをお考え下さい。

覚えていないことが多いが、それをどう伝えたらいいか。
 だからこそ整理して伝えるのです。そして覚えていないのはどの様な部分なのかについても、つまりそれについて説明するつもりでいらしてください。つまり何が分からないか、というマイナス情報を示すということになります。例えば小学校の高学年の頃が一番記憶に残っていません、とか今でも時々数時間の単位で記憶がなくなります、とか。知らないうちにどこかに行っていたなど。これらはとても重要な情報です。

・解離の治療は最近は進んでいるのでしょうか?薬物療法は意味があるのでしょうか。

基本的には臨床診断、つまり聞き取りが一番大事です。ただDESなどはスクリーニングとして役に立つということがあります。薬については、ベンゾジアゼピンやお酒で悪化することだけは覚えておいてください。抗うつ剤はもちろん役に立ちます。解離の方がなかなか良くならないのは、その方が置かれている人生のストレスか、あるいは合併症だと考えています。そちらの治療が大事であるとお考え下さい。