ジルボルトテイラーの本で理解が非常に深まった。全体を書きなおす必要がある。推敲の推敲だ。
第8回目は右脳問題である。今回このテーマについて扱う伏線は解離について論じた第6,7回目にあった。この流れで左右の脳の違い、特に右脳について論じない手はない。幸い私たちは近著WHOLE BRAIN 心が軽くなる「脳」の動かし方 ジル・ボルト・テイラー 竹内薫訳 2022年 NHK出版という強力な資料を得て、このテーマについてより深く考えることが出来る。
最初に掲げた図は左右の脳の機能の違いについて一般的に言われているものを示したものだ。左脳では冷たい岩のようなものや、コンピューターに向かって事務作業をしている人たちが描かれている。右脳は自然豊かでいろどりがあり、人々はリラックスしたり体を動かしたり絵を描いたりして幸せそうである。
この図に書き込んだとおり、左右脳の特技は以下のように言われている。
左脳 論理的、詳細志向、客観的、分析的、言語的、過去志向的。
右脳 感情的、大枠志向、主観的、象徴やイメージ、抑揚やメロディー、未来志向。
しかしテイラー女史の本に従うならば、これをキャラ1~4に分けることになる。というのも、左右脳とも大脳皮質と大脳辺縁系(特に扁桃核)を有しているから、当然と言えば当然である。
それをあえて説明的に表すと以下のようになる。
左思考脳(キャラ1)、左感情脳(キャラ2)、右感情脳(キャラ3)、右思考脳(キャラ4)これらを以下に簡単に表す。
- 左思考脳・・・・・・ 論理的、詳細志向、客観的、分析的、言語的、過去志向的。
- 左感情脳・・・・・・用心深い、恐怖に基づく、猜疑心、融通が利かず、利己的、批判的
- 右感情脳・・・・・・大らか、無条件で愛する、恐れ知らず、信頼、感謝
- 右思考脳・・・・・・感情的、大枠志向、主観的、象徴やイメージ、抑揚やメロディー、未来志向。
テイラー女史の本を読むと、これまで左脳として強調されてきたのはどちらかと言えば左思考脳。右脳として強調されてきたのは、右思考脳だった。また右脳は左脳より発達が速いという考え方を少し修正されるところがある。たしかに左思考脳は遅れて発達するであろうが、左感情脳、つまり闘争・逃避反応を起こすような部分はかなり早い内から活動を回避する必要があるのだ。さもないとこの自然界に生きていけないではないか。そして問題は右感情脳が十分に成熟することが、左感情の制御にとってとても大事だという事である。