3.「わかる」とはネットワークの間の新たな結びつきの形成である
以下のGIFアニメはそれを表現する目的で作成された。A,Bは最初は別々の体験であり、両者に関係はない。それがこの図である。
そしてAとBとは同じものだと「わかった」場合には右側の図で表されるケットワークが形成されたことになる。
この事情をもう少し分かりやすく説明しよう。例えば新しく配属された職場で同僚となったCさんと暫くかかわりを持ち、その人となりについてある程度理解したとしよう。そしてある時、実はあなたの小学校時代のクラスメートCちゃんと同僚のCさんが同一人物であったことが分かったとする。Cちゃんもあなたも別のクラスに分かれ、さらに別々の中学に進学して再会することもなく、やがてCちゃんはすっかり成長して結婚して名前も変わっていたため、CちゃんとCさんが実は同一人物であることに気が付いていなかった。そしてたまたま出身地が一致していたことからお互いに幼馴染であることを知ったのである。
あなたはそのことが分かった瞬間に「そうだったんだ!」という驚きの声をあげるかもしれない。それは同僚Cさんに関して持っていた結晶と、Cちゃんについて持っていた結晶が、突然連絡路が出来てつながるという体験だからだ。そしてあなたは「そういえば・・・・」という体験を数多く思い出すはずである。
「Cさんのような口調や表情をどこかで見たことがあると思っていたが・・・」とか「Cさんの強情さは、小学校の時のCちゃんとそっくりだ。」などである。その時二つの結晶はN次元上で同期化して光る新たな点となるはずだ。
ちなみにネットワークAとBこのようなつながり方については、かなり昔にドナルド・ヘッブDonald Hebbという神経学者が次の原則を唱えている。「同時に発火する神経細胞同士はつながる Neurons that fire together, wire together.” 」(1948)
Cという人の二つのイメージは、同時に思い浮かべられることで一つの結晶として形成されたのである。