あと二つの文献も見てみる。
② はどうだろう?スキゾタイプ性 schizotypy
とASDの関連についての研究という、まさに直球の論文だ。こう書かれている。「両者の区別は難しい。なぜなら両者とも社交 social
relationship と社会性の交流 social interaction に問題があるからだ。」そうそう、そこを知りたいの。そこでこの研究はASDの基準を満たす110人に、スキゾタイパルPDのスケール(SPQ-BR)その他、たくさんのテストをしてもらったという。そしてASDの人で抑うつや不安が高い人はスキゾタイプ性が高く、SPQ-BRの高次の概念構成(陽性、陰性スキゾタイパル性、disorganization,
社交不安、低い quality of life)においてASDとの関連が高かったという。つまりASDの人たちはスキゾタイプ性も高いという、ある意味では予想していた結果が得られたという。(ただしよく考えるとスキゾタイプ性とは、魔術的な思考、錯覚など、かなり精神病性の要素を持つ群ということになり、スキゾイド性とはかなり異なるものでもある。ここは注意して論じたい。)
するとAQテストでは、BPDの人はASDの人たちほどではないが、コントロール群よりも、そして併存症群よりも、高いスコアを示した。そしてEQではBPDの人は併存症の人とASD の人よりは高い点数を示した。またSQRについては両群がコントロール群より高かったという。つまりはBPDもASDのようにAQが高く、システム化する傾向にあり、両者のオーバーラップは明らかだということになる。これも予測通り。でもBPDの人はシステム化が高く、すなわちASD的な意味で「こだわりが強い」というのはこれまであまり考えてこなかった。ためになった。