2022年6月29日水曜日

パーソナリティ障害 概論 2

 力動精神医学

Freud は子供の発達段階におけるリビドーの固着とそれぞれに特有の防衛機制について考え、それらが用いられた際のパーソナリティの形成の理解の端緒を作った。Freud は「ヒステリー研究」(1895)の段階で「ヒステリー性格」について述べている。(P202)また肛門性格について論じ、orderliness, parsimony obstinacy頑固さ、吝嗇、極度の清潔好きをその特徴として挙げた。そしてこれを子供が肛門性愛の快感を諦めたことへの反動形成であるとした。(on transformations of instinct as exemplified in anal eroticism p2822)さらには自己愛的な性格を挙げ、超自我を内在化させていないが故の攻撃性や独立心が特徴であるとした。(Moses and monotheism three essays Freud, p. 3775.)

パーソナリティの議論についてはAbraham, Harry Guntrip が記述を行った。以下林先生の引用。「Abraham, K (1953)は,精神性的発達の停止と関連づけられた性格論(口唇性格,肛門性格) を提示したりそこでの口唇性格と肛門性格は,それぞれ極端な依存と攻撃,固屈.几帳面・潔癖が特徴とされ.依存性パーソナリティ症,強迫性パーソナリティ症の由来のひとつとされている)」

それらの議論を引き継いだ Wilhelm Reich は性格分析という概念を提出し、それが個人にとっての防衛となっているという考えを新たにした。彼は schizoid, oral, psychopathic, masochistic, hysterical, compulsive, narcissistic, or rigid などの性格構造について論じた。
Reich, W. (1990) Character Analysis (Chapters I-III), 3rd, enlarged edition, 

Guntrip, Harry (1961) Personality Structure and Human Interaction, London: Hogarth Press, quoted in Boadella, David (1985) Wilhelm Reich: The Evolution of His Work, London: 54.