頑張って読んできたショウの本も、いよいよ最後の部分である。かなり極端な主張もある気がしたが、全体としてはとても勉強になった。最後に次の記載を述べておく。
2015年、現代のDNA 検査により合理的疑いの余地なく無罪と立証された325件の事件のうち、なんと235件に目撃者の誤認が関わっていたことが分かったという。これが示唆しているのは、過誤記憶が無実の人の投獄に決定的に重要な役割を果たしているということだ。やはりこの問題が決定的であろう。偽りの記憶は現実に多くの問題を生じさせ、そして多くの犠牲者を出し続けていく。しかしもしそうなら「証言」そのものの価値がいやおうなしに下がっていきかねない。現在の裁判制度の根本が揺らぐことになる。すると・・・・私たちは結局はDNA鑑定や監視カメラという具体的なデータに頼るしかなくなるのであろうか?するとどこかの国のようなことになるのだろうか……。