ところでここで離断症候群や「他人の手症候群」の研究が精神神経学の分野でどこまで進んでいるのかに興味を持った。そこでネットに公開されている論文を読んでみた。精神神経学雑誌という、日本で一番権威のある学術誌に京大精神科の3人の先生が連名でお書きになっている総説論文がある。そこでそれを読んでみたが、結局情報としては少なかった。昔から欧米の文献でもDisconnection 仮説と言うのはあったが、圧倒的にそれは統合失調症の研究という文脈の中で出てきたという。Crow,Tのtranscallosal misconnection syndrome,Friston, KJ のdisconnection hypothesis などが有名らしい。Crow
の論文は1998年、Friston は2016年だ。なんだ随分最近ではないか。
Crow, TJ (1998) schizophrenia as a transcallosal miscommunication
syndrome, Schizophr Res. 30;111-114
Friston, K, Brown, HR, Siemerkus, J et al: (2016)the disconnection
hypothesis. Schizophr. Res. 176:83-94
植野仙経、三嶋亮他 (2018)Disconnection とDisconnection 仮説. 精神神経誌. 120巻10号 pp897~903.