2019年8月1日木曜日

失敗と冪乗則 4

失敗を生み出す「注意の揺らぎ」
 そもそも失敗を生み出すインシデントはどのように起きるかを考えた場合、そこにあるのは結局私たちの注意力の揺らぎではないかと思える。たしかこんな例があった。ある電車の始発が遅れた。それは運転手が寝坊したからだという。へえ、そんなものか、と思う。そういえばあるアナウンサーが寝坊して、番組が彼女なしで開始されたという例もあったな。こちらの方が例としては使えるかな。
ネットで「女子アナ、遅刻」ですぐ出てくる。

2019.3.4 11:25 遅刻で番組欠席のTBS古谷有美アナが謝罪…国分太一「きょうは起きれたんですね」

 TBSの古谷有美アナウンサー(30)が4日、TBS系「白熱ライブ ビビット」(月~金曜午前8時)に生出演。2日のTBSラジオ「土曜朝6時 木梨の会。」の生放送を寝坊したために欠席したことについて「人としてあるまじき過ちを犯してしまいまして、大変皆様にご迷惑をおかけしました」と謝罪した。MCの国分太一(44)に「きょうは起きれたんですね」と早速いじられ、古谷アナは深く息をついた。そして「先週の土曜日、ラジオの番組を寝坊するという、人としてあるまじき過ちを犯してしまいまして、大変皆様にご迷惑をおかけしました」と神妙な面持ちで謝罪。「詳しいことは土曜日のラジオにて、しっかりお話させていただきたいと思います。本当に申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げた。

これをコピペしていて、私自身緊張してきた。とても他人事には思えない。だって、遅刻ってよくあるではないか。考えてみるとテレビ番組は朝早くから放送をしていて、「○○アナ、今月は3回目の遅刻」なんてことがどうして起きないのかと不思議になるほどだ。大学時代もよく寝坊したな。さすがに社会人になってからはそれはなくなり、その分朝方になった。それでもやはり緊張する。大学勤務でも、今年度の前期は朝845分からの授業があり、ものすごく緊張した。といっても私は朝は目覚ましを使う習慣はなく、7時以前に自然と目覚めなかったことは思い出せないほどだ。だから授業のある日に限って寝坊をするなどありえないはずだ。それでも万が一のことを考えると緊張する。もちろんテレビ局などでは二重、三重の防止策をしているのだろう。放送事故になってしまうからだ。マネージャーが朝当人が目が覚めているのを確認する、とか。でもそのマネージャーが目が覚めなかった場合の策を講じているところなどないのではないか。
するとこの話は早速失敗の話に通じてくる。女子アナが7時の起床時間に起きれずに寝坊する確率をPとしよう。その女子アナに確認のモーニングコールを715分に入れるはずのマネージャーが寝坊する確率もPとしよう。すると女子アナが715分の時点で起きれていないというやや重大なインシデントが起きる確率はという事になる。そして念には念を入れてマネージャーにサブマネージャー(私の適当な造語だ)がついていて、730分に確認のモーニングコールをする約束になっていたら、その人まで寝坊して730分というぎりぎりの時間になっても女子アナが寝坊している確率はどうなるだろうか? すると結構ハインリッヒ、いや冪乗則がここに成立することになるだろう。女子アナの7時の時点での寝坊という、よくあるインシデントの起きる確率と、マネまで寝坊して715分まで寝坊しているという少し深刻なインシデントが起きる確率と、730になっても女子アナが起きていずに、番組に穴をあけるギリギリの、かなり深刻なインシデントが起きる確率は、対  P2 対 Pという事になるのだ。(なんだか、女子アナ、女子アナと書いているうちに、差別をしている気になってきた。男子アナにしよう。でももう遅いか。)