2018年10月17日水曜日

C-PTSDについて 2


続いてこれも無料で手に入る論文から。
Thanos Karatzias, et al; PTSD and Complex PTSD:ICD updates on concept and measurement in the UK,USA, Germany and Lithuania European Journal of Psychotraumatology, 2018 を読んでいく。これを読んでいくと、ヨーロッパでは本当に CPTSD と PTSD についての本格的な考察が続いているようだ。アメリカはどうなっているんだ。スランプさんなんか選ぶし。ところでこちらにも載っている。CPTSD = PTSD + DSO という公式。Disturbance in self-organization は日本語でなんていうんだろう? 「自己組織化の障害」だと直訳過ぎるし、ニュワンスは伝わらない。ちょっとググってみたが出てこない。つまり本格的な日本語の論文はまだ発表されていない、ということか。どうやらこの DSO 2013年のDSM-5以降にいろいろ議論されているらしい。やはりDSM-5 CPTSDの扱いに関しては周回遅れをしているということだろう。ニュアンスとしては、「自己の構成の障害」「自己のつくりの障害」ということだが語呂が悪い。
そしてここにも出てくる国際トラウマ質問票 International Trauma Questionnaire (ITQ)で、これが出来たのは2017年ということだ。出来たてホヤホヤというわけである。絶対日本のどこかで、これの日本語訳を開発している臨床家がいるはずだ。23項目のうち7つがPTSDについて、16個がDSO用だという。
DSO は以下に分かれる。
AD: affective dysregulation 情動の調整不全 
NSC: negative self-concept 否定的な自己概念
DR: disturbances in relationships 関係性の障害

ちなみにPTSD についてもあった。
RE: re-experiencing 再体験
AV: avoidance of traumatic reminders 回避
TH: persistent sense of current threat that is manifested by exaggerated startle and hypervigilance 過覚醒

すると公式がもう少し詳しくなるぞ。

C-PTSD = PTSDRE+AV+TH DSOAD+NSC+DR)