2017年3月24日金曜日

精神分析とは何か 番外①

少し付け加えた。

この「とらわれ」、というのは大切な言葉です。しかも「無意識的なとらわれ」というところが大事です。この様に精神分析は私たちの日常心理からは隠された部分、無意識部分に向かっているという点はきわめて特徴的といえるでしょう。ふつうのカウンセリングでは、目に見えるような、意識的なとらわれ、精神分析では無意識的な、目に見えない無意識を扱う、という言い方をすればわかりやすいかもしれません。
比ゆ的に言うならば、ゴルフコースでのバンカーのようなものと言っていいでしょう。グリーンに向かって自由に球を打って言いというわけでなく、いたるところにあるバンカーを避けて、打っていかなくてはなりません。打ち方に制約が出てくるでしょう。しかもそのバンカーが打つところからは見えなかったり、いたるところに出没していたら、もっと球を打ちにくい。
 ゴルフの比喩がわかりにくい人のためには、心を自由に走り回ることの出来る原っぱだと思ってください。そこにところどころぬかるみや落とし穴があったら、自由に走り回れませんね。しかもそのぬかるみや落とし穴が目に見えにくいものだったり、気がついたらいつの間にかそこに落ちていて、そのことにも気がつかないような類だったらどうでしょう。決して自由にそこを走り回ることが出来ません。そしてここで自由にゴルフの球を打ったり、原っぱを駆け巡るということが、自由に発想し、自由に行動するということの比喩になっているというわけです。


そのバンカーや落とし穴を見つけていくのがカウンセリングでしょうが、精神分析の場合は無意識的なとらわれ、というのですからふつうはわかりにくいような、本人にもわかりにくいような落とし穴を見つけていくという作業です。