2017年2月23日木曜日

「自己愛トラウマ」の推敲 ②

フロイトは天才!ということで締めくくった(下線部分)。こうすると収まりがいい。


この自己愛トラウマの概念を導入することで、一つの仮説が生まれます。それは愛着の段階からトラウマが生じた場合、怒りや恥、偽りの自己、解離反応といった様々な病理が生まれるであろうということです。
 ではフロイトの場合はどうだったのでしょうか? やはり私が仮想的なフロイトとの会話で述べたことが考えにあります。フロイトは父親や母親との間で、十分に自己愛を受け入れてもらえなかったのではないか?
ただここで私は一つの注意書きをしておきたいと思います。それはフロイトは驚くべき生産性を備えた天才であったということです。もしある人が通常の人の何倍ものアイデアを思いつき、それを書き留めたり実行したとしたら、その人の持つ自己愛のあり方はかなり通常の人とは異なった形にならないだろうか?ふつうの人なら考えを書き送るのに一通の手紙を送るところを、フロイトは数十通を必要とするならば? 彼が「聞いて欲しい、見て欲しい」と思う量が、通常人の数十倍だったらどうであろうか? おそらく彼は周囲の人々にわかってもらえていない、共感してもらえないという自己愛的な欲求不満をより強く体験するのではないだろうか? フロイトの自己愛的な傾向は、「天才としての病」として生じていたのではないか? これを私はしばらくは自分だけの仮説として取って起きたいと思います。