今日は自傷行為の当たりを推敲している。
この自傷行為は人間だけに見られるものではない。たとえばアカゲザルは自分を噛むという行為をしばしば見せるという。一般に霊長類は極度に退屈すると常同行為をはじめ、終いには自分自身にかみつくという行為に及ぶという。いっぱんに動物がフラストレーションを与えられて逃げ場をなくすとき、それは自分の一部を繰り返し噛むようになることが観察されるそうだ(O'Connor,2012)。
(以上、
Rebecca O'Connor (2012)The Science of
Self-Mutilation. National Geographic Blog June 22, 2012.
ある心理学者の書いた記事は、自傷行為について一つの重要なヒントを与えてくれる。ロレッタ・ブルーニング博士 (Breuning, 2013) はその論文で、霊長類の観察を通して、動物が毛を抜く行動は、単なるトラウマやストレスのせいだと理解するわけにはいかないと主張する。サルの子は親が自分の毛を抜くのを見て模倣することもあるという。そしてこれが一種のグルーミングの延長にあるという理論を提唱する。グルーミングは基本的には自分を慰撫する行為 self soothing behavior であることは確かだ。動物はそれを相手に対して行い、社会的な結びつきを深めるが、自分に対しても行う。それが度を外した形で生じるのは、ストレスやトラウマに対してそれを回避する手段がない形で追い詰められた状態であるというのだ。
Roletta G. Breuning, RG (2013) “Self-Harm
in Animals: What We Can Learn From It. Self-destructive behaviors get repeated
until they’re replaced.( Posted May 21, 2013 at Psychology Today”Website)
このことを冒頭の女性の例と一緒に考えてみよう。自傷行為は追い詰められて極限状態に置かれて生じた。飛び降りは極度のフラストレーションを和らげてくれたのである。それが彼女が言った「緊張を和らげてくれる」という意味なのだ。ただここで一つ不思議な現象がある。それは自傷行為は痛みを通常は伴わないということである。それよりはむしろ快感を、ハイを感じさせる。