スカイダイビング・ハイ
ある芸能人が罰ゲームでスカイダイビングをやらされ、高所恐怖症気味なために、実際に飛び降りるまで大騒ぎだったと言う。着地したところをインタビューしようと近づくと、涙を流している。さぞ着地して安心したのかと思ってきくと「こんなすばらしい体験があるなんて知らなかった・・・・」と感動してないているのである。
スカイダイビングに根強いファンがいるのは、やはり彼らが体験するハイのためだろう。彼らはすべての重力からの開放感を語る。鳥のようになったようだ、というのだ。しかし結局はアレ、報酬系である。
これについて書こうとしていると、面白い論文を手に入れた。Carlson JM, Cha
J, Fekete T, Greenberg T, Mujica-Parodi LR.: Left
medial orbitofrontal cortex volume correlates with skydive-elicited euphoric
experience. Brain Struct Funct. 2015 Nov 7.ひところで言えば、脳の左眼窩前頭皮質の容積が大きい人ほど、初回スカイダイビングで快感を味わうのだと言う。その論文には、それ以外にも以下のようなことが書いてある。
OFCの中でも特にmOFCは快感と、 lOFCは不快体験と結びついていると言われる。そしてmOFCが大きい人はより大きな快感を味わえると言う報告がある。快感を味わうことの出来ないうつ状態の患者のmOFCの容積は小さくなっているという報告がある。また統合失調症の患者の体験するアンヘドニアはmOFCの容積と逆比例であるという。つまりmOFCは快感の強さそのものではなく、体験から喜びを得られる能力と考えるべきであろう。
OFCと報酬系の関係、ちょっとノーマークだったな。ためになったぞ。