2016年2月7日日曜日

報酬系と心(2) So called SP (13)


しかしもともとはこの話をしているのではなかった。ということでこの項はいったん閉じて、フロイトの話に戻る。(この連載、大丈夫かな。) えーと、抑圧の話だったな。ある考えや衝動などをなぜ心から追いやるか。それはそれを思い浮かべることが痛みを生じるからだ。仕組みは単純なのである。
しかしそもそも痛みを生じる、とはどういうことか。フロイトは考えた。抑圧を促す感情としては、「ウンザリする気持ちEkeldisgust)、恥、罪悪感」。要するにさまざまな不快である。そして1926年の「制止、症状、不安」で、そこに不安が加わった。そう、不安だって抑圧の原因になるのだ。どういうことか。ここはフロイトにならってセクハラを受けた、という例を選ばなくてはならない。なぜならフロイトが考えたことは、ことごとく性的なことだったからだ。するとその記憶は、「ウンザリする気持ちEkel、恥、罪悪感」により想起されにくくなる。その理由はごく単純で、「思い出すと不快」だから。このように考えると、抑圧の機制は意外なほどにわかりやすくなる。それはあらゆる心の仕組みを使うことを総称することにもつながるだろう。否認 denial、否定 negation、排除 foreclosure 、自己欺瞞 mauvaise fois、抑制 suppression、解離 dissociation ・・・・・ とまあ精神分析の理論の中にはたくさん出てくるわけだが、結局基本になるのは同じであり、心がある事柄についてを「痛いから考えないようにしている」わけである。それぞれちょっとニュアンスや状況が違うので、そのように呼び分けているわけだ。(ただしおそらく解離は性質を異にしているだろう。)
 でもこのように当たり前のことのように書いているが、この問題は実やすごくややこしい
「いやなことを考えない」ということが果たして可能なのかという問題は、脳科学的にも結論を出すのが難しいらしい。なぜならいやなことは「気になること」でもあり、心はそれを放っておかないからだ。
 ちなみにこのテーマ、実験心理学ではひとつの流行のテーマでもある。いわゆるTNT問題(think/not think paradigm)、といって、ある事柄に結び付けられた別の言葉を記憶してもらい、次にその言葉を与えられたときに、わざと想起しないように支持するのである。その結果として、想起しなくなるのか、逆に想起しやすくなるのか、というのがひとつの議論になっているというのだ。ただ大体の流れとしては、考えまいとしたことは、次第に考えられなくなっていくということらしい。フロイトの抑制の理論は正しかったわけだ。

この報酬系にまつわる考察の中で、快感につながるのか、逆なのかという問題が比較的大きく関係しているだろう。私の考えでは、人はあることを考え続ける、やり続けるというのはよりシンプルである。心はそこに戻っていけばいいのだから。ところが不快な場合は、それがいったん心に入り込みそうになると、それを押しやるという努力を必要とするのだ。その方法はどうだろうか?それを否認するような言葉を発したり、違う証拠となるような理屈を考え続けたり、怒ったり。フロイトの言う「逆備給」をし続けなくてはならないのである。

So called SP (13)

So far, I described several types of SPs exemplified by these cases. These are;  SP asserting herself on behalf of the host, SP with a voice of her mother, SP in charge of expressing anger, a Competitive SP and a depressive SP. You might notice that each SP can take a variety of characteristics and features and no SP is identical to one another. However, I would like to class these SPs roughly into two types: one of being aggressive to the host, and the other being aggressive to other (in support of the host). Although this classification is rather ambiguous and arbitrary, it would be useful as we consider theoretically in the next chapter the way SP are formed.
SPs Type 1 aggressive to the host herself


Type 2 aggressive to others in support of the host.