2014年5月26日月曜日

解離の治療論 (39)欧米における解離の治療論(13)

 さてここからは段階別の治療プロセスの話である。ガイドラインには、次のようにまとめてある。
第1段階 安全性の確保、安定化、症状の軽減
この第1段階の目標は、表題に掲げられたとおり、安全性の確保、安定化、症状の軽減だ。ただし患者によってはこの第1段階で治療の大部分を占めてしまうことがある。そして「彼女たちが広範にわたる情緒的に深いレベルでのトラウマのヒストリーを探ることはなく、人格たちの融合に至ることもない」と言う。
 さて安全性の問題についてはいくつかの項目が挙げられているぞ。1.治療の成功には安全性の確保が必要であるという教育を行う。2. リスキーな行動のアセスメント 3.安全であるためのポジティブで建設的な行動のレパートリーの作成。4.危険な行為を行う交代人格の同定。5.患者を安全に保つために交代人格の間で合意形成をする。6.グラウンディングテクニック、自己催眠、薬物の使用など。7.薬物依存や食行動障害など、他の専門家の助けを必要とする問題のマネージメント。8.患者が子供に暴力的であったりする際の専門機関の導入。9.患者の自己防衛を動員することを助ける。このうち5についてはとりわけハードルが高いと思うし、人格間の合意形成は治療の最終目標に入れるべきではないかとも考える。そもそもこれを行うためにはその人に備わっているあらゆる人格とコンタクトを取り、話し合う必要が生じる。しかし多くの「黒幕」的な人格は話をしてさえくれないことが多いのだ。
「マニュアルによれば、第1段階は、安全性の確保、安定化、症状の軽減が目標として挙げられる。それはさらに以下の項目に分かれる。1.治療の成功には安全性の確保が必要であるという教育を行う。2. リスキーな行動のアセスメント 3.安全であるためのポジティブで建設的な行動のレパートリーの作成。4.危険な行為を行う交代人格の同定。5.患者を安全に保つために交代人格の間で合意形成をする。6.グラウンディングテクニック、自己催眠、薬物の使用など。7.薬物依存や食行動障害など、他の専門家の助けを必要とする問題のマネージメント。8.患者が子供に暴力的であったりする際の専門機関の導入。9.患者の自己防衛を動員することを助ける。ただしこの5.に関してはその達成は治療の第1弾系以降になることも十分に考えられる。」