2014年1月18日土曜日

恥から見た自己愛パーソナリティ障害(34)

明日から「改訂版」である。ということはこれまでの書き直し、編集のし直しである。ということはコピペである。どこかで読んだことのある部分が大半を占めることになるだろう。



自己愛とセロトニントランスポーター、ドーパミンD4遺伝子との関係

やはりこれは書いとかなくては。難しい話はともかく、最近遺伝子の研究と恥の関係が気になる。脳の神経伝達物質に関する二つの研究がある。ひとつはドーパミンD4に関するもの。もう一つはセロトニントランスポーターについて。これと恥の関係は無視できない気がする。
 ドーパミン受容体の遺伝子には、核酸の一定の繰り返しがあり、それが7回ある人、4回ある人、2回ある人がいるそうな。そして繰り返しが多いほど、「新奇性追求」が高いという。新奇性追求 Novelty Seekingとは、新しい体験に飛びつく傾向、みんなの前で旗を降る傾向などが見られる。これはクロニンジャートいう学者が提唱した理論、すなわち (1)行動の触発Novelty Seeking (NS:「新奇性追求」)(2)抑制Harm Avoidance(HA:「損害回避」)(3)維持Reward DependenceRD:「報酬依存」)(4)固着Persistence(P:「固執」) については気質と呼ばれ、生まれながらにある程度定められているという理論に由来する。クロニンジャーは実はもっと過激なことを言っている。それぞれの傾向は別々の神経伝達物質に関係しているというのだ。それぞれ、中枢神経内の「ドーパミンdopamine」、「セロトニンserotonin」、「ノルエピネフリンnorepinephrine」の神経伝達物質の分泌と代謝に依存しているものと想定されている(Cloninger, 1987)ヒャー、ホントかな。
この新奇性追求、スリルシーキングとの関係を考えるとわかりやすい。バンジージャンプを喜んでする人と、そうでない人の違いなどがよく例として出される。快感を得るために、より多くの刺激を必要とする人と、とんでもないという人の違いか。ある解説(「遺伝子が明かす脳と心のからくり」石浦章一、だいわ文庫を読んでいる)を読んでいると、日本人などでは、このD4遺伝子の核酸の反復数が、日本人は7回を持つ人はゼロパーセントだそうな。ということはアメリカ人などと違って、無茶なことをする人は全然少ないということか。
他方セロトニンの方はどうか。こちらの方も研究が盛んだ。セロトニンに関係する遺伝子は、長い「L遺伝子」と短い「S遺伝子」の2つのタイプがあるという。遺伝子は両親から来るから、両方ともS、両方ともLSLを一本ずつ、という3つのタイプに分かれる。人はそれぞれどれかに属しているというわけだ。そして簡単に言えばS遺伝子の人は神経質な傾向が強いという。SSSLLLというわけだ。そして日本人は98%の人がS遺伝子をもつ(つまりSS、か、SLか、ということだろう)一方では、アメリカ人はLL32%だという。ナニー! またも同じ結果だ。結論としては、「アメリカ人に比べ、日本人が「神経質で慎重かつ不安や心配を抱きやすい」人種であるということは、平和を重んじる反面、精神的な悩みが多く、未来を予測する占いなどに依存する傾向があることからもわかります。」(この部分、あるサイトからコピペした。)
私は昔から神経質で慎重な面が強いと思い、他方ではスリルシーカーとしての傾向は何とも言えないと思っている。遺伝子検査をしてみればわかるのだが。しかしこのセロトニン遺伝子に関しては、対人恐怖と関係しているとみている。しかし問題は、日本人のほとんどがSSだとしたら、差が出ないじゃないか、ということになる。まあ1%の人たちに関してはかなり違った性格とみていいということだろうが。
ということで結論から言えば、ドーパミンD4の受容体の遺伝子に関しては、自己愛傾向(自己顕示傾向?)に関与している可能性がある一方では、セロトニントランスポーターの方は、対人恐怖傾向と関係している可能性がある(但し後者の場合には上記の問題あり)くらいのことは言えるのだろうか。